ここ10年における自殺の考察

政府が発表した自殺白書。

新聞マスコミが取り上げたのは、若者の死因一位「自殺」でした

うーーーん…そこかぁ

そうなると当然焦点がそこにいってしまうので

SNSが悪い!いやブラック校則だ!いやブラック企業だ!挙句の果ては日本が悪いと

そんな論調を目にするのも仕方ありません

しかし冷静に事実に目を向けると

自殺の割合がもっとも多いのは50代、しかも7割以上が男性

その原因には経済事情もありますが、うつなど心身の疾患も関係しています

これは1978年に自殺統計が始まってから変わっていません

そして僕が注目したいのは

10年前、自殺者は32,000人強もいたこと

それが

僅か10年後、その数は20,000人強になった点です

単純計算ですが「12,000人」もの尊い命が失わずに生きたという事実です

まだ多いじゃないか!
世界と比較しても日本は自殺が多過ぎる!
というご批判はあろうかと思いますが

物事は一気に0から100
100から0にはなりません

かの天才努力打者のイチローさんも一本一本の小さな積み重ねが
大きな結果を生み出すための唯一の道だと説いています

そうしたことから
この10年で何が起こったのか?
何が自殺の歯止めになったのかを考えてみました

ここからは僕の推察になってしまうんですが

超ざっくりに言うと

「生きる」=しんどい

から

「生きる」=楽をしてもいい

とマインドがシフトチェンジしたからではなかろうかと思っています

その理由としては
自殺は男性の割合が多い点

男性と女性の違いを考えたとき

男性が女性に比べて観念が大きいのは

・経済的支えにならなければならぬ
・仕事で辛くても甘えてはならぬ
・感情はあまり出してはならぬ

要は「強くあれ!」と

これは上手くいっている時には支障がありません

ですが一つ歯車が狂い、上手くいかなくなると
「強くあれ」は足枷に転じます

リストラにあったサラリーマンが、家族にバレないよう
毎朝スーツで出勤するフリをしてしまうように

弱さを許容できないのが男性の弱みでもあります

そこから繋げていくと

この10年は「強さからの解放」であったような気がします

男性が女性化した「草食系」
これはネガティブな意味として揶揄されていましたが

柳のようになびいていて弱弱しく見えて
実はしなやかで風(ストレス)にも強い

お金や仕事が全てじゃないというゆとり世代やさとり世代も

一見ネガティブに聞こえますが、本筋がダメでも生きていけるという視野の広さが生まれます

そろそろ女性の「甘えられる」「人に頼れる」を男性陣は見習ってもいいんじゃないかと思います

でも勘違いしてほしくないのは
「じゃあ何もせず楽すればいいの?」
と依存を勧めているいるわけではありません

頑張れは諸刃の刃なんです

目標や使命があり、それに向かって邁進するアスリートやビジネスマンはカッコよく
自己表現のために美しくありたいとストイックにトレーニングする姿は素敵です

これは努力が実を結んだ好例です
ただそれは一部の人であり、自分の道を見つけられたある意味で幸運者です

理想は「自立」ですが
理想通りいかないのも「人生」です

ここで問題視したいのは
ドロップアウトした人です

学業、スポーツ、容姿、仕事、人間関係、家族
それらの中で、つまづき、傷つき、自信を無くした人たちです

こういう人は特徴としてそんな自分を責めがちです
自分を責めて責めて責めまくる

うつ病などもこうしたところから発症する人はとても多い

そんな人が自分を追い込み追い詰め

辿り着く先は

「自殺」です

孤立し絶望の先にある自死です

そして

その人の周りは更に辛い思いを強いられます

「なぜ助けられなかった」
「なぜ気づいてやれなかった」

そんな悲しい現実に救世主のごとく現れたのは

「心」を扱う人

心理カウンセラー、メンタルコーチ、ヒーラー、講演家などです

過去にももちろんいましたが
ここ10年で一気に増えました

テレビで注目され話題になった「心屋仁之助」さん
彼一人の力でも心が救われた人はたくさんいると思います

僕の周りにも
僕の先生であるカウンセラーの鷲津さん
幸福力アップセミナーのばんちゃん
講演家の中村文也さん、鴨頭さん
コーチングの井坂さん、馬場さん
ママ育カウンセラー毛利さん
お寺の住職の加藤さん、中村さん
他にも音楽家やスピリチュアルなど多くの「心」に関わる人が

誰かを癒し
誰かを元気づけ
誰かを救っている

その結晶が日本全国で起こり
この10年で12000人の命が助かったといっても過言ではありません

かくいう僕も
心を扱う心理カウンセラーです

先日ある
クライアントさんから

「先生のおかげで死ななくて済みました」
と言われました

その方にとっては死にたくなるくらい精神的にショックな出来事で
本当に辛い死にたい衝動によって自殺を考えた時

僕の言葉が頭に思い浮かんで踏みとどまったそうです

本当によかったなと思いました

僕はカウンセラーの役目はこう考えています

人はどうしようもない困難な時
目の前の道が真っ暗になります
一本の細い険しい道に見えます
何も判断できないし希望もない

そんなところに
優しく光を当て
道を増やしていく

前に進まなくも横がある
後ろに戻ったっていい
立ち止まったっていい

そんなふうに心に優しく視野を広げてあげるのが

カウンセラーとして大切な役目なんじゃないかと思っています

まだまだ現状が良いというわけじゃありません

たった今でも死にたいと苦しむ人はたくさんいます

そんな人へメッセージが届けばと重いテーマを書いてみました

綺麗ごとかもしれないし
僕のエゴかもしれない

だけど

「死なないでくれ」

「きっと道はある」

「希望はある」

「誰かがいる」

「君のために」

「そしていつか生きてて良かったと思える日が来る」

過去死のうとしていた自分へも送りたいメッセージです

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